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試用期間満了にともなう雇止め

  • 執筆者の写真: office138
    office138
  • 2021年1月7日
  • 読了時間: 2分

更新日:2021年1月10日


精神疾患の労務トラブル
試用期間の雇止め


Q:試用期間満了をもって雇うのをやめられますか?

 新入社員の中で仕事の覚えが悪い者がいます。試用期間は、その期間でその人が仕事で成果を残せるかどうかを判断する期間だと考えてます。この仕事覚えの悪い者を試用期間満了をもって雇うのをやめたいです。問題ないでしょうか?




A:問題があります。原則として、試用期間満了にともなう本採用拒否は解雇となり、不当解雇にともなう訴訟リスクがあります。
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 試用期間という名称から、「お試し期間だから雇った従業員がダメだったら本採用しなくてよい」と考えている経営者や人事担当者がいます。


 この考え方は、非常に危険です。法律(判例)では、「試用期間中と本採用後の雇用契約は、連続したひとつの雇用契約で、試用期間は解約権留保付きの雇用契約」と解されています。


 つまり、試用期間中の本採用拒否は、法的に解雇の規制を受けるということです。解雇規制とは、試用期間が14日超過すれば解雇予告が必要ということです(労基20条、21条但書4号)


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 とはいうものの、試用期間という性質から本採用後の解雇よりは解雇の自由が広く認められています。経歴詐欺があった場合や能力欠如があり改善の見込みがない場合等には本採用拒否が認められます。


 注意点として「改善の見込み」がないことが要求されます(東京地判平15.12.22日水コン事件、東京地判平12.4.26プラウドフットジャッパン事件等)。しかし、新卒などの未経験者と比較して即戦力(経験者)として入社した中途採用(地位や職種、職務が特定)の従業員が期待に応えなかった場合(経験や能力が不足)には、それ自体が債務不履行となるため、「改善の見込み」までは不要(赤↓部分)と考えられています。


 下記表は、必要な要件をまとめたものです(「○」は必要な要件)

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